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映画鑑賞記・ホノカアボーイ

ホノカアボーイ
 10年7月18~20日鑑賞。

 「年取ったからってやっちゃいけない
ことはないんだよ」

 ハワイ島の北、ホノカア。ここでは月に
虹がかかるとき、願いが叶うという…。

恋人に振られ、大学を1年休学したレオは、
とにかく日本を離れたがっていた。そして
今居る風景とは全く違う空間の中に
いたかった。彼は、ひょんなことから
ホノカアの映画館で映写技師として働く
ことになった。レオが初めてこの町にやって
きたのは半年前。見た者に最高の祝福を
くれると言われる“月の虹(ムーンボー)”
を探し求めて、恋人と一緒にハワイ島
やってきたのが最初。

しかし“月の虹(ムーンボー)”は
見られず、かわりに道に迷って辿り着いた
町がホノカアだった。その時はまさか
自分がここに住むことになろうとは
思いもせずに。ホノカアの不思議な魅力
に吸い寄せられるように再びやってきた
この町でレオが出会ったのは、風変わり
だけど優しい人たちだった。
出会い、恋、ごはん、そして別れ。

レオが大人になるために必要なもの。
そのすべてがホノカアにはあった。

 熱狂的なファンに支持されているという、
吉田玲雄の同名作は作者本人が自らハワイ
に住んでいた体験談をもとにした原作。

その風と言葉と温もりを映画化する
ために、あらゆるジャンルの才能たちが、
すべてをハワイ島ロケで実在するホノカア
の町を舞台に結集。そして作り上げられた
のが本作。悠久の時間が漂う中に限られた
命がはかなく消えていく。自然と何事も
なかったかのように。それでも風景自体
は決して変わらない。その人が例え居なく
なったとしても...。そんな映画に
なっている。

 冒頭の言葉は喜美こいし師匠が演じる
老人の一言だが、これがまたいいのよ。
日系人で日本語はしゃべれるんだけど、
漢字は読めない。だから同性愛と漢字で
書かれたTシャツの意味が分からずに
レオが教えた「全ての人に等しく愛を」
という冗談を真に受けてみたり、そうか
と思えばペネロペ.クルスのボスターに
ご執心だったり、結構年齢がいっている
のに女性に対しての興味が失われていない。

でも日本のスケベジジィとちがうのは、
そこに全くギラギラした感じがない。
本当に自然体なんだなあ。主人公レオが
日本から送ってもらったエロ本を受け
取ってにんまりと笑いながら、レオが
問うた「今からそれ使うの?」という
問いかけに応えたのが「年取ったから
ってしちゃいけないことはないんだよ」
という台詞。ステキすぎる。

意味はエロいのに深い。
そして感動できるのは凄い。それが似合う
のはやはりこの時のこいし師匠
しかいないっ!!そしてそれを無言で実行
していたのが、レオに密かな想いを寄せる
ビー(倍賞千恵子)さん。彼女のキャラも
いいんだよなあ。レオに対しての想いは
決して口にせず、ただレオをもてなして、
人のために料理だけを作る。時には嫉妬も
するし、すねたりもする。それが全くの
自然体だからかわいらしく映るのだ。
そして彼女も風のように姿を消して
いく....

 ほかにも庄司照枝師匠や、松坂慶子さん
なんかもいい味出していて、蒼井優とか
深津絵里がちょい役で出ているのも凄い。

 監督はユーモアと人間の繊細さを徹底した
ディテールで描く『いぬのえいが』の短編
「ねえ、マリモ」の真田敦。この方、出身は
CMらしくて、風景を撮らせるとやはり上手い。

 これぞという画像を切り取って見せる技術
は卓越している。そして主人公レオを、本作
が初主演作品になる若手実力派俳優・
岡田将生が演じている。

 岡田将生が生きたのは、やはり個性派の
ベテラン勢とハワイのホノカアという広大な
スケール感の中に彼がすっぽりはまったから
だと思う。すばらしい。ちょっと悠久すぎて
見るのに時間かかっちゃったけど、こいし
師匠が見られただけでもう満点!!