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九州プロレス . めんたいフェスタ 3観戦記( 15.6.7 日・西鉄ホール)

九州プロレス . めんたいフェスタ 3観戦記( 15.6.7 日・西鉄ホール)

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本来なら前日の華☆激観戦記を先に書くのが時系列順なんだが、あえてこっちを先にしてみた。

最近は各団体とも会場確保には苦労していて、それは九州プロレスといえども例外ではない。年々西鉄ホールでの大会が減った分、熊本や鹿児島に活路を見いだして、 8 月のスターレーン、冬か春の北九州芸術劇場大会が年二回のビッグマッチという流れになっている。

それはそれで悪くはないのだが、最近の九州プロレスの本大会は迷走につぐ迷走で、つい 2 ~3 年前の熱があまり感じられない。そもそもめんたいフェスタ自体が、二年連続でめんたい☆キッドの親子対面で終わるという、何ともいいがたい結末になっている。

ただ北九州での流れをよい方に変えて、スターレーン大会に繋ぐ意味では、この大会は重要な位置づけになる。そう思って期待していたのだが、まずいつもならオープニングアクトで観客の声援の練習したりする時間がいきなりカット。対戦カード発表の間にも、休憩中にかかっている九プロ勢出演の番組 V がそのまま流れていたりで、どこかちぐはぐ。

更にはオープニング VTR にでていた!めんたい☆キッドのプロデューサーを名乗る芸人さん?が何者なのかの説明がない。 V にないなら、実際にでてきて挨拶するのか?と思っていたらそれもなし。

このあたりを丁寧にしてきたからこその九プロではなかったのか?ちょっとあまりにお粗末すぎた。他団体なら気にならないレベルでも、九プロがやらかすとワル目立ちするのは、今までちゃんとやってきたからなのだ。それに気がつけないなら、大分症状は悪化していると言わざるを得ないだろう。

第一試合 めんたい☆ FESTA だよ天神集合!~佐賀×大分×鹿児島 3県バトルキックオフ!  20 分 1本勝負  
ウォーターマン日田丸( 7 分37 秒 片エビ固め ※ゴッチ式パイルドライバー)白くま· 
        ※もう一人はがばいじいちゃん

ウォーターマン日田丸は、名前こそコミカルだが、その外見とは裏腹に、バチバチのシバキ合いを持ち味とするレスラーである。あのノラリクラリしてなかなか本音をみせない藤田ミノルのハートに火をつけるくらいの実力をもつ。

そんな日田丸が、本人が VTR で語るように「こんなカード」でお茶を濁されるのは本人だけでなく、見ている我々でもあまりよい気はしない。だいたい 3WAY用 の便利屋としてはあまりに場違いなキャラなわけで、そのミスマッチを狙うんなら、たまにはいいけど、こう頻繁に 3WAY に入れられると、飼い殺しじゃないかとさえ思えてしまう。

幸いなのは、じいちゃんと白くまが多少日田丸よりの試合にしてくれたので、心配するほど酷い試合にはならなかったが、正直白くま対じいちゃんだったらよりみたいカードになったかもしれない。できることならこの試合、日田丸が試合自体をぶち壊して、九州王座に強引に挑戦する流れを作ってもよかったと思う。対玄海もそうだが、対旭戦、そして藤田戦など、日田丸がらみでみたいカードは目白押しなのに、この位置でいいように使われいているのをみるのはあまりに忍びない。

正直今の九プロはどこか守りに入っている感じが強いので、それを打破するには序列関係なしに刺激的なカードを組むのが一番だと思うのだが…

第二試合 GLOVER ’S MONEY TIME ~ 締込み or ゴールデンパンツ?~   20 分1 本勝負  
·田中純二( 8 分8 秒 片エビ固め ※グラノミクス)ザ・グラバー○

グラバーは今さら言うまでもなく、かつてWWFを席巻したミリオンダラーマンをコピーしたキャラクター。何ならリメイク版といってもいい。ただし、このお金持ちキャラに関しては、本家WWEでリアルお金持ちのビンスがリングに上がって試合をしてしまったことで、「つくられたお金持ちキャラ」に説得力をもたせることが難しくなってしまった。だからかもしれないが、現在のテッドデビアス(ジュニア)にしても、入場テーマ曲に親父さんのキャラの名残であるお金の音がはいっている程度で、本人がお金持ちキャラを受け継いでやっているわけではない。

唯一団体に金の雨を降らせ、プロレス界を潤すレインメーカーが成功しているのは、アプローチの仕方がミリオンダラーマンとは異なっていたからだと思う。金の雨が降る演出は、実をいうとグラバーもやっているのだが、金を撒くのが取り巻きのキシャ―ンで、しかも彼が数枚パラパラパラと散らす程度。おまけに巻いたお金(グラバードル)を回収してたりするし。意外とせこい感じがする。それがいい方向に作用するといいのだが、どうにもチープな感じがして仕方ないのは、金にものをいわせて九州プロレスを席巻するという外敵のイメージをグラバー自身がつかみきれていないからだろう。

とはいえ、他人からどう見えているかなんてなかなか本人にはわかりにくかったりするので、やはりそこはこのキャラを発案した人間が責任もってプロデュースするべきだろう。今のままではやはりグラバーも飼い殺しになる可能性は十分にある。一番懸念しているのは嫌味なお金持ちであるはずのグラバーから、どうみても「いい人」臭が消えてないことで、これはキャラの確立以前にかなり危機的な感じもするのだが…

一番いいのは外敵としてグラバーが玄海の前に立ちはだかることで、武闘派としての玄武会も生きてくるのではないかと思うのだが。なんか前座でお茶を濁すキャラにはしてほしくないんだよなあ。

第三試合 桜島なおきの浪速思い出横丁~ Part1 ~   30分 1 本勝負  
○桜島なおき( 11 分19 秒 グラウンドコブラツイスト)タダスケ·

さきほど外敵の話をしたけど、個人的にはこの試合のタダスケがどの選手よりもよかったのではないかと思っている。なぜなら久々に憎々しい外敵が登場したと思ったからだ。数年前の大阪プロレス博多大会ではじめてみたタダスケは、やや線の細い小悪党という印象だったが、今回髪を金髪にして当時より大幅に増量して風格すら漂っていた。で、桜島と向き合うとタダスケが圧倒的にでかく見える。この圧迫感はかつて相島がもっていた殺気に似た感じがする。遠慮なくブーイングできる相手として、大阪弁で毒づくタダスケはまさに桜島だけでなく九州プロレス全体にとっても格好の外敵になりえよう。

ただ、問題なのは桜島の方で、無骨な風貌からは豪快な試合展開を期待してしまうのに、フィニシュがいつも丸め込み系なのだ。今回もグラウンドコブラで、しかもタダスケの攻撃を切り返しての逆転勝ち。こう書くと感動的になるが、実際のところ大阪の先輩に成長したところをみせられたかといえば、「???」としか言いようがない。

玄武会のほかのメンバーはみなこれは!という武器をもっているが、桜島には未だこれはという武器がない。だからいつも薄氷の勝利を重ねているイメージしかない。これがたとえば同じ九州のレジェンド藤波辰爾だと「名人芸」になるし、ドラゴンのイメージにもぴったりあっている。つまり丸め込みが悪いのではなく桜島のキャラにあった武器を生み出さないといつまでたっても玄武会の四番手でしかない。

この試合も結末がそうだっただけに外敵のタダスケはピンピンしてるし、桜島は半グロッキー状態。これではよくないと思うんだが…

休憩中、めんたいが映画「予告犯」の宣伝部長になったこととあわせて、離島での大会開催にむけてクラウドファンディングを募るということが発表された。クラウドファンディング(英語:Crowdfunding)とは、不特定多数の人が通常インターネット経由で他の人々や組織に財源の提供や協力などを行うことを指す、群衆(crowd)と資金調達(funding)を組み合わせた造語である。 ソーシャルファンディングとも呼ばれる。中小企業やNPO(特定非営利活動)法人の資金需要には、銀行やベンチャーキャピタルといった既存の金融機関では満たせないものが少なくなく、不確実性の高い新規事業や収益を目的としない慈善事業資金である。(以上wikipediaより抜粋編集)

要はお客さんから出資を募って、大会の運営資金をねん出したいという趣旨で、NPOである九州プロレスクラウドファンディングを知っていてもなんら問題はないのだが、最近でこそ知られてきてはいるけど、会場のお客さんにしてみれば「何それ?」って感じだったのではないか?

クラウドファンディングというのはいかに魅力的なプレゼンをして資金を出してもらうかが肝になるので、大会の幕間でやるのではなく、いっそイベントとして独立させて、今はやりのパワポでも使って、めんたいがプレゼンするイベントでも立ち上げた方がよっぽどいい。この時の言い方だと単純に寄付を募っているようにしか見えないので、お金も集まらないと思う。まま一言で言ったら「説明不足」の一言に尽きるだろう。

第四試合 嗚呼!花の九産大!~玄武會 vs 九産大~ 45 分 1本勝負
玄海 & 阿蘇山 & 藤田ミノル( 22 分38 秒 片エビ固め ※玄海灘 )
筑前りょう太 & 旭志織 & ばってん×ぶらぶら·

九プロにはびこる一番の問題点が学閥だと思う。名門九産大プロレス研究会の出身といううたい文句をプロがここまであからさまに使ったのは、おそらくはじめてかもしれない。この辺にも今の九プロの迷走の一端がうかがえる。

で、実をいうと本戦以外では結構煩雑にばってん対玄武会というカードが組まれていて、イベント試合とかになると頑張るばってんに多くの声援が集まることもある。ただし、それはイベントだからであって、有料大会まで同じになるかというとそうではない。イベント試合でばってんの頑張りに声援が起きているのは、玄武会がイベント用の悪役に徹しているからで、本来の玄武会のコンセプト(正規軍でも悪役でもない武闘派集団)という立ち位置になると、容赦なくつぶしにかかることは容易に想像がつく。

お金を払って入場してくる人は、ばってんのやられっぷりに笑い、ばってんの空気の読め無さ加減や寒いギャグににブーイングをとばしたいと思ってきているのだ。そうするとお客のニーズと試合を提供する側の思惑にずれが生じてくる。

この試合も九プロが誇るクオリティの高い攻防になって試合自体はとても面白かったし、実際お客もかなり沸いていた。でも頑張るばってんというのが、表の売りになってはいけないのではないか?彼はあくまでやられてナンボ。それでお客に笑ってもらってナンボの選手だと思う。裏テーマとして頑張るばってんがあってもいいとは思うけど、それはあくまで裏テーマであって、表に出ちゃうとだんだんその切り札が使えなくなってくることは頭の隅においてほしいと思う。

玄武会にしてもどんどん他団体に打って出て、九州の武闘派として名を売って、そこから派生した交流でさらに魅力的なカードを提供できるようにしてもらいたいのだが、ここも微妙な飼い殺し状態という印象がどうしてもぬぐえないんだよなあ。

第五試合 めんたい☆ FESTA !3  ~キッドという名のもとに~  60 分1 本勝負
○めんたい☆キッド( 19 分24 秒 片エビ固め ※最高級めんたいスプラッシュ )ビリーケン・キッド

このメインの終了後、めんたいの結婚報告が流れサプライズで閉幕という形になったのだが、図らずもビリーがマイクでいっていた「足りないもの=自信」を裏付ける結果になったのではないか?そもそもこの試合にはキッドの名のもとに・・・とあるけど、やるならキッドコントラキッドでもよかったかもしれないし、そこまでいかなくても先輩との絆を確かめあうという立派なメインテーマがあるのだから、自信持ってそれだけをシンプルに打ち出せばよかったのだ。

一番よくないのは、めんたいの勝利→ビリーの叱咤激励→自信を回復しためんたいが玄海をよびつけ8月に王座挑戦を表明→めんた結婚VTRという流れになっていたこと。これでみると、①ビリーとの対決を制しためんたいが自信を取り戻す ②次回博多大会で玄海に挑戦する予告編 ③サプライズとしての結婚報告とオチになりそうなところが3つもある。①~②で終わるならまだいいのだが、試合と関係ないVTRが大オチで使われたことで確かにサプライズにはなったけれど、試合や大会の余韻までかき消してしまった。これはサプライズの使い方を間違っているとしか言いようがない。

どうせめんたいフェスタなんだから結婚報告をバーンと頭にもってきて、観客の心をつかんで、ビリーの厳しい攻めをはねのけ、玄海に挑戦する流れで奥さんに対して「ぼくはあなたのために頑張ります」とかいって締めた方がまだ次回大会への引きになってよかったのではないかと思う。

やっぱ結婚というプライベートなことをプロレスの大会の中でネタとして使うなら出しどころを間違えてはいけない。大オチにしたことで結婚自体がネタにしかみえなかったというのも、問題があるだろう。実際WWEでもリング上の結婚式をフリにして試合につなげているのだ。そう考えるとやっぱり順番が逆だと思うのだ。

全体的にちぐはぐな印象がぬぐえなくて、なんかもやもやしたまま帰ることの多い最近の九プロなんだけど、今回ももやもやしたまま終わってしまった。そもそも年に二回あるビッグマッチのメインが両方とも同じめんたい対玄海のタイトルマッチというのも、なんか守りに入っているとしか思えない。ビリーの試合で自信がついたのであればもっと違う側面で攻めた方がよりいいものができる気がするのだが、安全パイによっかかって確実な結果の出るカードしか組まないのであれば、いずれ破たんしていくだろう。才能をたくさん有しながら、それを生かせていない九プロ。そうはなってほしくないのだけれど・・・