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華☆激周南エストレージャ観戦記(15・9・19 土・キリンビバレッジ周南市総合スポーツセンター)

華☆激周南エストレージャ観戦記(15・9・19 土・キリンビバレッジ周南市総合スポーツセンター) | Facebook

この日は小倉で午前中用があって、そこからそのまま周南に行く予定にしていた。しかし何といっても片道約150キロ(小倉から数えて)の道のり。行きだけ高速を使って帰りは下道を通る計画で、運転開始したけど、結果ちょっとおくれただけで、無事周南スポーツセンターに到着。県内にはまだ未踏の観戦スポットがあって、そのうちの一つが周南だった。かつて、長州に活を入れるべく、一度引退したアニマル浜口が乱入、そのままブロンドアウトローズに加入するという流れの発端を開いた場所でもある。

かつて山口県ワールドプロレスリングの中継があるときは高確率で、周南か下関だった。でも先ほど書いたようになんせ遠い。新幹線駅で数えても3つ先にある場所にはそうそういけるものではない。下手すれば島根の方が近いくらいなんだから、いかに山口県が広いかおわかりいただけるだろうか?

そして華☆激の山口大会もまた下関がほとんどで、周南進出は初である。しかし今はプロレスがいきわたっていないところで満員をマークし続けている華☆激である。知名度はなくてもなんかやってくれそうな期待感をもって会場に入った。

ちょうど大人のプロレス教室が終盤にさしかかっているところから見ることができた。大人といえどもプロレスからは縁遠い昨今、やっぱ物珍しそうに体験している人が多かったが、こどもはさすがに恐れを知らない。古賀や笹栗同様、大盛況で、ここに華☆激が根づく要素は十分あるなと感じられた。

全選手入場式ではドラゴン藤波辰爾も登場。一人別格でテーマ曲にのってあらわれたドラゴンはマイクで欠場をわび、休憩中にサイン会、試合後に撮影会を行うことがアナウンスされた。退場時もひとりひとりに立ち止まって握手するドラゴンの姿は、本当に変わらない光景だなあと思った。

第一試合:オープニングマッチ

×新泉浩司 & 林田伸一 1/20 KING & ○小川聡

新泉と林田のチームGT-Rは久々に見た気がする。最近試合数が減っている林田がどこまでできるか気がかりではあったが、ポーカーフェースの林田にしては珍しく気合が全身からみなぎっていた。

新泉含めた三人はどちらかというとバチバチやりあうファイトスタイルが信条だけど、ここにマレンコ道場の生え抜きである林田が噛むことで、異質感が出せていた。
勢いで攻めようとするKINGや、小川をいなすように関節地獄に誘い、新泉との連携もスムーズ。組むのは久々でも意思の疎通に問題はない。

しかしKING・小川組もだからといっておとなしくしているわけではない。怪我から長期離脱を余儀なくされた小川には悲壮感みたいのはなく、なんとなく自然な感じで試合ができている感じがした。

第二試合:女子プロレススペシャルマッチ
花月 1/30 ×神田愛実

急遽参戦となった花月だが、地方の水が合うのか、かなりイキイキしてみえた。一方の神田もほぼ華☆激の準レギュラーになり、やはり慣れた印象がある。そもそも千人近い観客の前で試合した体験をもつ若手の女子選手なんて、そうそうはいないはずだから、こうして地方大会にお声がかかる事実を二人とも誇っていいとおもう。

面白いのは花月が意識的にか?女子らしい試合運びに終始していたことで、身体の柔らかさを含めた女子ならではの試合を心がけていたようにみえた。そして言葉の端々に「あたしが先輩だ」と言い放ち、優位に立とうとする。先輩プロレスを言葉でいう選手もなかなか珍しい。

コミカルな面もハードな面も結構縦横無尽に対応していた2人のスペックは結構高いなと感じた。特に神田はまだまだ若いし、こうした経験を積んでいずれはトップ選手になってほしい。

第三試合:
○コスモ☆ソルジャー & ラピート 1/20 ジンベイザメ~ン & ×ゼファー

コスモ組は名古屋&道頓堀、ジンベイザメ〜ン組は沖縄と北九州という、かなり地方色豊かな顔合わせ。ゼファーがこの中に混じるのは、本人にとっても悪い話ではないはずだ。

試合は意外にもラピートがかなり目立つ。さすが大阪人というか、場の盛り上げを心得ている。コスモとは本格的にチームにしてもいい感じがした。

古賀以来のジンベイザメ〜ンも非常にコンディションがよく、経験値のないゼファーを好サポートしていた。こういう先輩方に囲まれた体験はきっとゼファーにも生きると思う。本人にプロレスに取り組む真摯な姿勢があれば、だが。

第四試合:HANZO & ○MIKAMI 1/30 アズールドラゴン &× ヴァンヴェール・ネグロ

みちのくの一若手だった三上恭平が当時のスター選手でもあったHANZOと組んで試合する姿を見られるだけに感慨深いものがあるのに、入場してきたMIKAMIはなんとラダー持参!コンディションの事もあり、DDT後期は事実上封印していたラダーを解禁したあたりにMIKAMIがフリー転向した意気込みをみた気がした。
MIKAMIの地元は隣県の島根で、周南からは割と近い。そのせいかMIKAMIのコール時にはこの日1番の紙テープが宙を舞った。

一方のアズール、ネグロ組は一年前の篠栗より完成度が高くなっていた。特に山口県では完全アウェイなネグロが、心の底からヒールを楽しんでいる感じがした。この日のようないい感じで力の抜けたネグロが九州でも見られるようになると、いよいよホンモノかな、という感じがしてくる。

そういう意味では老獪なMIKAMIやHANZOの前に臆することなく挑んでいったのは評価したい。

HANZOとMIKAMIの連携もまたよくて、特にHANZOがMIKAMIをたてて試合していたのが印象的だった。

一時は持ち込んだラダーをアズール組に逆に利用されるなど窮地にたったMIKAMIも、最後はラダーの経験値の差をみせつけて、ラダー最上段からのスワントーンで快勝!

ここで休憩。ドラゴンサイン会には長蛇の列。色紙をうけとるだけなのにものすごく緊張してしまった。

第五試合:ルチャリブレ『日本vsメキシコ対抗戦』
○ツバサ & ドラゴン・ユウキ &RANMA 1/30 キルバン & ×ヨルーバ & ローリンボーイ

入場時にテーマ曲が鳴り、かなり長い時間が経過してもメヒコ組が出てこない。なんかの演出かと思いきや、しばらくして普通にでてきた。メキシカン特有の時間感覚なのかもしれないが、何かあったのかと思った。

さて、試合が始まるや、メヒココールにニッポンコールを煽り始める両軍。いわゆる大空中戦のような内容を期待していた分、やや肩透かしな試合ではあったが、何も飛ぶだけがルチャではない。

明るく楽しいルチャもまた良いものである。まあ、一見胡散臭くて実はできる選手というのも見飽きていたので、こういう期待にたがわない胡散臭さが漂うメヒコチームは結構自分的にはツボだった。
もちろん明るく楽しいだけでなく、空中戦もそれなりのクオリティで見せてくれていたので、個人的には満足度も高かった。

ネグロがセコンドにいたせいか?なんかメヒコチームがブラドリみたいにみえたけど、ノリからいえば近いものがあるのかもしれない。
ブラドリといえば、久しくドラゴンユウキも見ていなかったので、新鮮といえば新鮮だった。ユウキだけでなく、ツバサもランマもメキシカン相手だと実に輝いてみえた。このあたりは彼らも日本人とはいえ、生粋のルチャドールなんだなあ、という気がした。

メインイベント:
KING& ○アステカ & LEONA 1/60 ×スカルリーパーA-ji & 二代目上田馬之助 &5代目ブラック・タイガー

休憩中、なんか売店に妙に昭和風なガタイのいいイケメンがいるなと思っていたら、それがLEONAだった。見ている側が年とるとどうしても子どもの頃のイメージが強すぎて、現在の姿が受け入れ難いのだが、LEONAにもそれを感じた。しかもあまりオーラもない。

藤波さんの欠場でパッと見、目玉がなくなったかのようなメインてはあったが、ここまで親の七光りでキャリアを重ねてきたLEONAが、事実上はじめて独り立ちして、メインをつとめることと、対角線上にいるダークサイドFTOという東京ではあまり見ない、トラディショナルなヒールに対して、どう立ち向かっていくのか?という興味はわいてきた。

試合はいつも通り、ダークサイドの奇襲からの場外乱闘。KINGとアステカ自体タッグチャンピオンなんだが、チームとしてこれという連携が売りではないし、そこに初見参のLEONAが混じる以上、チームプレイでアステカ組が劣るのは仕方ない。
だからこそ分断されてからの個々の力が試されるわけだが、毎回手を焼く悪の連携にLEONAがつかまると、やはり信用がない分大ピンチにみえてしまう。

ところが、今までドラゴンの遺伝子が感じなかったレスラー、LEONAがダークサイドに捕まり、苦しんでいる様が実に見ていて絵になってきたのだ。特に二代目馬之助との絡みは初代馬之助と父ドラゴンとの絡みを彷彿とさせ、オールドファンには感慨深いものがあった。

かつて、父ドラゴンが悪役外国人レスラーにつがまり、大声援を受けながら土壇場て粘り勝ちし、猪木に勝機をつなぐあの姿が、この日のLEONAのファイトにはダブってみえた。この日のわかりやすいベビーの絵になるやられ様は、もちろんダークサイドのお膳立てが前提にはあるけれど、お客さんに「LEONA頑張れ!」と思わせるには、本人が頑張らないとどうしようもない。

しかし、LEONAも父の力なしでなんとかしたい気持ちがあったのだろう。再三のピンチにも屈せず立ち向かう姿勢に会場から大LEONAコールがおきた!これはある意味画期的なことだとおもう。全世界に知名度がある父ドラゴンと、キャリア1年半のLEONAでは歴史的に比較にはならない。

だが、アステカたちの力は借りながらでもこうして声援を貰えたのはプロレスラーLEONAにとってはエポックメイキングであったと言っていいだろう。

このLEONAの頑張りが鉄壁の連携を誇るダークサイドを崩したのだから、LEONAの頑張りは素直に評価したい。最後はアステカが聖☆スプラッシュでA-jiからピンフォールを奪って見事正規軍勝利。アステカのマイクの後にLEONAもマイクをとり、ドラゴンの欠場をあらためてわびた後、「もっと一人前になって父と一緒にまた周南にきたいと思います」と力強く宣言。

いや、ドラゴン抜きでもいいからLEONAはしばらく地方大会を一人で経験して修行してほしい。せっかくいいものをもっているのだから、父の庇護のもとにいるようなイメージはマイナスだろう。

白のタイツにニーパットというのもささやかな自己主張かもしれないが、やっぱニーパットをつけてない藤波さんと比べると、
ちょっと見劣りしてしまうし、もし自分で道を切り開きたいなら、藤波の遺伝子にあらがってみるのも手かもしれないし。

試合後、ドラゴンの撮影会があって、もちろん無料だったのだが、その後ろでファンに真摯な対応していたLEONAの姿が見えた。父の書いたサイン色紙の隅にサインを求められても嫌な過去一つせず、腰の低い応対をしていた。このあたりはやっぱドラゴン二世だよなあ。

最後はとうとう入場者1000人越え!今の山口県において、1000人集客できる団体は日本に存在しなかった。今の新日ですら数年前に来たときは1000人いかなかったし、他団体はいうにおよばず。そこへきて華☆激が初進出で1000人越えをやってのけた!これはとんでもないことである。ましてや周南といえば地元の長州が帰還しないと満員にはならないといわれる場所。そこに何の縁もゆかりもない団体が営業力だけでこれだけ集客し、しかもお客さんを満足させて帰らせたのだ。今の華☆激はプロレス過疎地に本当に強い!それを目の当たりにした大会だった。