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プロレスリング華☆激博多エストレージャ観戦記(15.9.23 さざんぴあ博多)

プロレスリング華☆激博多エストレージャ観戦記(15.9.23 さざんぴあ博多) | Facebook

 

かつては華☆激の聖地として、大会が開かれていたさざんぴあ博多も今や年に一回開催されるレアな会場になってしまった。九州プロレス西鉄ホールもそうだが、やはり条件のいい連休や祝日は、競争相手も多くなるし、そうなると会場も抑えにくい。

 

しかし、九州プロレスが九州一円に活路を見出したように、華☆激はプロレス過疎地を回ることで、新しい聖地を手に入れた。今までの会場が使えなくなったというのは、一見するとピンチなんだけど、この2団体に関してはチャンスに変えていけているように思う

全国的には新日本が、世界的にはWWEが一人勝ちしているけど、九州のプロレスシーンではどこかの勝ち抜けは必要ないと思う。特に華☆激と九プロはやっていることも違うし、やはりこの2団体が両立して九州一円を活性化してくれた方が見ている側としてはありがたく思う。

 

私が時間を間違えたせいで1時間近く待ち時間ができたのだが、私の前にいた女性客(見た目は若そうな人)が列に並んでいる人に、熱く木戸修の魅力について語っているのを聞くともなしに聞いていた。曰く「真壁は応援できるけど、棚橋や中邑やオカダの試合はなんか違う!」らしい。かなり熱弁をふるっていた。外見はいわゆるプロレス女子なのに、話の内容が真壁や木戸修というのはツボつかれた。ある意味すごい人がいるもんだ。こういう話聞けるのも、生観戦の醍醐味である。

 

第一試合:

○ドラゴン・ユウキ & ローリンボーイ 1/20 RANMA & ×ウラカン・マリーノ

 

掴みとしては純ルチャが楽しめるメンバーが揃った第一試合。期待はやはりネグロの後を追うリンピオ側の期待の星、ウラカン・マリーノ。

 

本格的に他団体からお声が頻繁にかかるようになるためには、この試合を査定試合としてみてもいいかもしれない。

 

だが、さすがにこのメンツに混じると線の細さが浮き彫りになる。ユウキに力勝負を挑んでもあっさりつぶされるわ、自慢のスピードもローリングボーイに見劣りするわで、前半はいいところがなかった。

 

それでも師匠RANMAの手助けを借りながら、何とか食いさがったのはやはり、先をいくネグロに対するライバル心もあったのかもしれない。

 

まあ、しかしいずれ師匠の庇護のもとから離れたマッチメークが組まれるようになれば、ネグロの背中を追いかけることは可能だろう。

 

しかし、ローリングボーイは10歳からルチャをはじめて現在に至るらしいが、10年後のジャックやユーセーもこんなになるのかな。見たいような見たくないような。

 

第二試合:

女子プロレススペシャルマッチ

×日向小陽 1/30 ○神田愛実

 

簡単に30分一本勝負というけど、現在の女子プロの試合時間は15分一本勝負が主流。これのデメリットは短い分、じっくりした展開が見られにくい。そして、15分に慣れた選手にいきなり30分やらせると、スタミナ配分がうまくいかず、スタミナ切れをおこしたり、動きが悪くなったりもする。一線で活躍している選手はまだしも、そうでない選手に、仮に60分一本勝負の試合を組んでも、試合自体が成り立たない可能性もありうる。

 

そこでこの二人だが、やはり九州で試合数こなしている神田に声援が集まる形になった。まあ、日向もベビーフェイスだし、小さい身体の割にはスタミナもありそうだったんで、場慣れしてくれば、またこうした機会を得られるかもしれない。

 

神田にはこの後年末まで九州からオファーがあるらしい。できる選手、これからできる可能性のある選手はガンガン地方に出てきて勝負してほしい。男子中心の中で花を添えるだけで終わるか、他のカードと違う女子プロならではのインパクトを残せるかは彼女たち次第だからだ。

 

第三試合:新泉浩司 & 小川聡志 1/30

 アズールドラゴン & ヴァンヴェール・ネグロ

 

九州で只今売り出し中のヒールチームがアズール、ネグロ組。ダークサイドとは別にこのチームには魅力を感じているので、こういう機会を利して、ネグロにはさらなるジャンプアップを期待したい。同時にチームリーダーになるアズールの試合運びも注目できるカードだと思う。

 

新泉はこれと認めた選手には厳しい攻めを繰り出すことで知られるが、それは相手を認めなければ、そもそもそこまでやる必然性がない。そういう意味ではネグロがより認められれば認められるほど、新泉のキツイ洗礼が待っていることにもなる。見ている側としては、大いに歓迎したいのだ。

 

果たして、アズール組は新泉、小川を急襲し、まんまと先手を奪う。新泉は序盤Tシャツも脱げないまま、防戦一方 。回数重ねてきたせいか、篠栗で最初に組んだ時よりネグロとアズールのコンビネーションプレイは進化していて、小川と新泉は完全分断された。

 

ネグロはなおも新泉を標的に怖いものしらずな攻撃を仕掛けるが、二度目の場外でついに新泉がキレた!ネグロとアズールをボコボコにしばきあげ、小川と共に反撃にでる。

 

身内の中でやる乱闘と質が違うのは、殺伐とした空気が生まれるかどうかであり、単純に場外に出れば、それがファンサービスになるわけでもない。この試合の乱闘にはまさに殺伐と呼ぶにふさわしいピリピリしたものが生まれていた。

 

つい数年前の華☆激ではなしえなかったものが、ここへきて次々と花開きつつあるのは大変興味深い。

 

暗黒の竜巻が本当に華☆激を席巻する日はそう遠くないかもしれない。これにより好敵手を得た新泉もイキイキしてくるだろう。そういう意味ではまた新しい名物カードが誕生したといっていいのかもしれない。

 

第四試合:

博多ライトヘビー級タイトルマッチ

× [王者]コスモ☆ソルジャー  1/60  ○MIKAMI[挑戦者]

(王者防衛失敗・MIKAMIが新王者に)

 

記憶違いでなければ、キャリア20年以上のコスモと、キャリア20年近くのMIKAMIがシングルのタイトルマッチでぶつかるのは、多分初めて。試合内容でハードコアも辞さないMIKAMIと、技の一つ一つがハードなコスモとの顔合わせは意外と手が合う気がしていた。

 

今でこそタイプの違う外見をしているが、MIKAMIはみちのくの練習生時代に辛酸をなめ、一度はプロレスラー失格の烙印をおされかかっている。対するコスモも、師匠から雷を落とされながら、歯を食いしばって努力を続けてきた。実は背景は似たもの同士といえるかもしれない。

 

試合内容はさすがベテラン同士というか、裏の読み合い、凌ぎ合いが凄まじく、静かな中にピーンと張り詰めた糸のような凄い緊張感にあふれた試合になった。基本的な技の攻防から大技につないでいく流れも丁寧で、これぞプロフェッショナルなタイトルマッチであったといっていいだろう。

 

MIKAMIとしては守護神のラダーで決めたかったのかもしれないが、コスモはこれを食い止める。逆にコスモの空中戦はMIKAMIがタイミングを外す。両者共に譲らないまさに名勝負にふさわしい内容。

 

なればと出した必殺のスク〜ルボーイもカウント2で返され、再度空中戦で勝負に出たMIKAMIは意識朦朧の中、ディープMインパクトを決め、足を無意識にコスモの上にのせた。これが決め手になりスリーカウント。新王者MIKAMIが誕生した。

 

試合後MIKAMIは自分が勝ったこともわかってなかった見たいだったが「このベルトにいっぱい価値つけて、また博多で防衛戦やります!」と力強く宣言。

負けたコスモも「才能あるやつには勝てない」とMIKAMIをたたえつつも「まだやめる気はない」とリベンジを誓った。いや、このカードならまた見てみたい!是非再戦もこの目で見届けたいと思う。

 

メインイベント:

博多タッグ選手権試合

[王者組]○アステカ &KING 1/60 ×キルバン & ヨルーバ[挑戦者組]

 

未知なる強豪がいきなり来日してタイトルマッチというのは、猪木新日本時代には割とある光景ではあったが、最近はどこも、レギュラー参戦しないとチャレンジ資格を得られにくい流れになっている。このやり方は頑張っている人にチャンスが回りやすい反面、新鮮なチャレンジャーがあらわれにくいという欠点もある。

 

そうすると、今回のようなメキシコからの刺客というのは、見ている我々からすると楽しみが多くなるわけだ。

 

周南ではやや時差ボケ気味にみえたキルバン&ヨルーバだったが、レアルルチャでは見違える動きを見せ、磁雷矢とMIKAMIを大いに苦しめた。それを見ていた当のアステカが試合前のあいさつで「これはやばいかも」と吐露していたように、キルバン&ヨルーバは絶好調。連携では一日の長があるはずのアステカ組をきれいに分断。2人まとめてのダブル人間ロケットなどで王者組を苦しめた。

 

もちろんジャべや空中弾などでも一歩も引かない構えで、連携も上。だんだん王者組の旗色が悪くなったところで、かろうじて分断に成功したKINGがキン肉バスターで活路を開くと、最後はアステカの聖☆スプラッシュで粘る挑戦者を退けて薄氷の防衛。

 

いやあ、博多タッグ史上今回が一番危ない挑戦者だったかもしれない。そのくらいキルバン&ヨルーバは強い選手たちだった。こんな無名の強豪(しかもまだ若い)がゴロゴロいるメキシコって本当に奥が深い。でも試合が終わればノーサイド。実に気持ちのいい連中だった。

試合後全選手記念撮影をしたのだが、MIKAMIは大事をとって参加せず。終わってしばらくは朦朧としていたらしいからこれは仕方ないかな?

 

やはり3団体(OZ・WAVE・大日のスターレーン大会)を敵に回すと、いかに今波にのる華☆激でも集客には苦戦した。これは仕方ない。しかし以前三分の計の真裏で、IGWPジュニア戦をやったときは、さざんぴあを半分も埋められなかった。そこからすると、今回は古賀や笹栗からかけつけた人も多く、結果8割の入り。これは誇っていいだろう。試合内容もバラエティに富んでいたし、一時の低迷期は完全に脱却したといっていいだろう。

 

MIKAMI対コスモはいい試合になるとは思っていたけど、ここまでとは思ってもみなかった。名勝負数え歌とは無縁な二人がもしかすると、今後数を重ねて行くことで試合に更なる奥深さを出していくのではないだろうか?そんな期待を抱かせてもくれたし、ネグロとアズールが新泉に火をつけたのも今後につながりそうだし、今の華☆激は見逃せないなと思える。三連戦(二連戦)お疲れさまでした