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がむしゃらプロレス旧大連航路上屋イベントホールこけら落とし大会『GAMSHARA NEW WORLD〜門司港激熱計画〜』観戦記

がむしゃらプロレス旧大連航路上屋イベントホールこけら落とし大会『GAMSHARA NEW WORLD〜門司港激熱計画〜』
(13.7.28 日 旧大連航路上屋 400人フルハウス

写真はこちらから

 先週の日曜とはうってかわって曇天。しかも我が山口県は未曽有の集中豪雨で甚大な被害がでていたが、この時は露ほども知らずにのんきにプロレスをみていた。もっとも
一歩間違えば明日は我が身。本当生きてプロレス観戦ができるありがたみったらないよね。

 で、旧大連航路上屋はこけらおとしというからにはプロレスも初進出。しかしもとが昭和4年に建てられた建物がリニューアルしてできたものなんでプロレス用に作られたわけではない。おまけに後で聞いたらここは市の持ち物で委託管理された会社が運営してるらしい。で、会場には冷暖房がない、柱が多くて見づらい、会場内では金銭授受を禁止、といったハンデも多々。借りる側も貸す側もはじめてづくしなんで相当神経つかったらしい。本当大変だったと思う。

 でもその甲斐あってかなんと用意した椅子より多いお客さんが詰めかけ最終的には400人フルハウス!途中から増席してどんどん列が厚くなっていくという景色はまさに壮観だった。招待ほぼなしで、有料入場者数だけでこれだからすごい。対価を払うのはお客であり、いくら主催がどんな料金設定しようが、そこがプロだろうとアマだろうが、お客は正直。面白くないのに貴重なお金を払うはずもない。社会人団体だから金とっていいのか?という向きには直接会場にきて集まったお客に聞いてみるといい。今日日の不景気時に誰が貴重な稼ぎをどぶに捨てるまねをしようものか。

会場では暑さ対策で氷が四方に設置され、後ろの扉は全開。でも雨対策もあって完全換気はできない状態。でもむしろこういう環境の方がプロレスを見に来た感があっていいもんだ。冷暖房完備の今の会場と違って田舎の体育館とかはふつうにエアコンとかなかったし^^今回は全席にうちわつき。でもパタパタハンドもってうちわもってカメラもってという体勢は不可能なんでうちわは早々にあきらめた。

 今回はラスベガスから久々にドンタッカーコミッショナーが自転車で来日。小倉北の時より不安定な運転と、このくそ暑いのに上下黒スーツであらわれて、リングインしただけで相当消耗していた。いくらドンタッカーでもこの湿度にはかなわないということか・・・

 入場式ではオーバーザリミット、がむしゃらクローバーZ、セクシータシロ軍、そしてLOCが順に呼び込まれたが、LOCはよんでもこないし、リングにもあがらない。そして入れ替わりでクレージークレバーがクルミンを先頭に登場。タッグ王者のジャンケンタッグをあおる。ジャンボ原はこれみよがしにベルトをみせて挑発しかえすが、これはだいたいは王者の転落フラグ。でもそのフラグをことごとく跳ね飛ばしたのが現王者であるから、一概には決めつけられない。が、CCはなぜか今回はやる気満々。

かくして波乱の中大会はスタート。
 
第1試合
DIEZEL&TOSSHIvs鉄生&L.O.C.キッド

 試合開始早々から乱闘。機先を制したのはCC。いきなりDEIZELの毒霧で鉄生は
全身緑色。床も緑色^^ついでにドンタッカーの赤い羽根飾りも飛びちっていて、床がこの時点で散乱。

人数でも勝るCCは乱入もお手の物でやりたい放題。悪役同士といっても今年に入ってから遺恨が勃発してる両軍だけあって、一歩も引く気配がない。
鉄生はCCにいるライバル陽樹が先にタッグタイトルに挑戦することが気に入らないのか終始いらつきぎみだし、キッドもTOSSHIに先制されてからはどうも勝手が違う感じ。でも時間がたってくるとキッドのうまさと鉄生の若さがかみ合って、本来の力が機動すると、中盤からLOCが息を吹き返す。4月のジュニアトーナメントを制したキッドのラダー攻撃にTOSSHIがまたも苦しめられる展開に。

 しかしこの日のCCはどっか違っていた。いつもだと同じパターンに入って相手のペースに飲まれることが多かったのだが、そこから一枚上乗せをしてきたのだ。特にベルト戦線に絡んでないDEIZELが割と無傷で試合に絡んでいたのが後々響いたのかもしれない。
今のチームの要はTOSSHIなんでここを崩せば寄せ集めチームを倒しやすいと踏んだのかもしれないが、いつの間にかLOCにも劣らない結束力を身に着けていたCCはセコンドが乱入以外でも大活躍。これでペースが狂った隙をつかれてTOSSHIがキッドに、春の仕返し成功!で見事勝利。調子にのったTOSSHIはかえす刀でYASUをも挑発。12月のジュニア戦に自分が挑戦表明してチャンピオンに答えをもとめた。するとYASUは「2人とも乗り越えたい壁」ということで2人同時に闘うことを受諾。すでに袖に下がったドンに試合変更をのませると、春に苦労して優勝したキッドをかやの外において勝手に12月のタイトルマッチは3WAYに決定されてしまった。おきざりになったキッドにとっては試合には負けるわ、勝手に春の苦労は水の泡にされるわ・・・といったとんでもない結末。キッド、素で憮然としていた^^

  プロレスの悪役は基本普段はいい人がやってる事が多い。だからこそ真逆なこともできるんであって、普段の顔がリング上で出てしまうのはマイナス。今回はLOCがそこをつかれてCCに敗れたわけだが、まあなるべくしてなったかなと。またプロレスは相手の弱点を攻めるのもセオリーとはいわれてるが、それは何も怪我したところを狙うのが常とう手段といっているのではない。心理的弱点を突かれたLOCは結果的には甘かったかなともいえる。そもそも入場式でいいもんとLOCが混ぜられていた時点で悪役としては甘かったと評価されていたと思われても仕方あるまい。今回はやっぱCCの方が一枚上手だったのだ。

第二試合:
林 祥弘vs野本一輝

 実は諸事情でがむしゃらを離れることになった野本一輝のラストマッチ。
これを聞いたのが会場で、だったんだけどここ最近、薄々なんかあるなと思っていたんで「ああ、やっぱそうか」という感じだった。このカードは、名勝負数え歌というより、次期がむしゃらのメインカードとして大切にあたためられてきたカードだったし、このタイミングで切るカードでもないかなと思っていたんで。だからどっちが背負うんだ?というサブテーマ、実は「林、お前はがむしゃらを背負えるのか?」という意味になっていたのだ。

 そういう視点で見ると林が色々試されてる試合のように思えるが実はそうではない。
野本が試合後、「できなくなった」と謝罪した「がむしゃらを日本一にする」事が野本一輝、あんたにできるのか?という問いかけも含まれていたのだ。やめていく人間がどうやって
がむしゃらを日本一にする気なのか?は後述しよう。

 で、このカードがそもそも名勝負数え歌の範疇から外してあるのは実をいうと過去2試合が名勝負というには程遠い内容や結末であったことに起因する。戦績でいえば林の2勝(1ピンフォール、1反則勝ち)で勝ち星では林が完全制覇してるのに印象に残ったのは野本ばかり。ここがプロレスの難しいところなんだが、正直過去の実績として名勝負になってないこのカードがなぜ見る側の心をとらえて離さないのか?というとやっぱこの2人には思い入れを抱かせる何かがあるからだ、としかいいようがない。こういうタイプのライバル対決というのはプロでもなかなかないケースだと思う。でもそこがこの2人にしかできない「数え歌」なのだ。

 リングで行われてるムーブに、当人同士と見てる側の思いのたけが上乗せされる、メイン候補になるのもある意味当然なカードだったわけで、事実ちょっとずつ進化していきつつあった対決が一旦ここで終結するのはちょっともったいない気もしたが、野本がいなくなるという緊急事態を差し引いたとしても、このタイミングで小休止するのは結果的にはよかったんではないかと思う。

 試合内容は過去最高だった。野本がタッグ時代のテーマ曲に戻してきたのもジーンときたし、林、野本がお互いの必殺技を返しあうという展開はやっぱ思い入れを加味して見ざるを得ない。考えてみればたった4年の間に3度しかない対決なのに、これほど人の心をつかんで離さないカードになったのはやっぱこの2人がいてくれたおかげだし、この2人がプロレスを選んでくれたことにつきる。本当にこの2人には感謝したい。

 最後野本が負けて涙ながらにマイクを握り「最後に強い男と闘えてよかった」とアピールし、かつてのタッグ時代のテーマが流れると二人で決めポーズをみせてくれたのもよかった。ノスタルジアーで片づけるんだったら文句ない締めだったと思う。
 
 でも・・・・
野本一輝はここで終わり、といってたんだけど・・・・
それはある意味勝ち逃げに等しい話。負けて勝ち逃げというのも変だけど、場所は変わってもプロレスを続けていければいつか接点はまた生まれる。ましてや、野本の故郷である北の大地には社会人団体(しかもリングをもってる)が4つもあり、オールスター戦もやってるほどの熱い土地がらでもある。本人さえその気ならがむしゃらの看板を一人で背負い、それらの団体で大旋風を巻き起こせば間接的にがむしゃらのレスラーは全国に通用することが証明できるだろう。そうして北のプロレスを制覇したうえでいつか頂上に上り詰めた林とGWAをかけて戦う日が来たら、それが野本一輝第二章のはじまりになるのだ。
だったら涙ながらに観客にわびる必要はない。北の大地で生を受けた野本は小倉で一輝という魂をもらって再び故郷に帰るのだ。だったら堂々とかえっていってほしい。そして牙を研いで林の成長を待っていてほしい。ここで終わりにすることはこの日きていた400人が許さない。野本一輝にはここまで培った力で新章を描く使命があるのだ。その日はきっとくると信じて待っているから。

第三試合:5vs5vs1ハードコアハンディキャップデスマッチ&タシロショウスケデビュー戦(30分1本勝負)
③【がむしゃらクローバーZ】SMITH&NIKKY&ニコラス今中ジョリー&KAG大塚&GAMAvs【セクシータシロ軍】タシロショウスケ&竹ちゃんマン&ガムコツくん&セクシーロージィ&パンチくんvs【with F】藤田ミノルvs【オーバー・ザ・リミット】YASU

 史上初5対5対1対1という超変則でしかもタシロのデビュー戦。
はっきりいってどこをみていいのかわからないし、これは困った。ハードコアデスマッチとはいいながら、バナナの早食いはあるわ、ラムネの早飲みはあるわ、もうカオスすぎて誰もリングの中に注目してなかったし、視線が分散した分、選手も観客も消耗したと思う。
で、今考えるとSMITH&NIKKYがとっていた動きが一番現実味があったかなと思うのだ。試合には絡まないで場外でひたすらアイテムを使って遊んでるという^^しかも地味にNIKKYはナイフやフォークといった古典的アイテムを会場の隅でこっそり使うというダークネスぶりを発揮^^あれは完全にやりたくてやってるよね?

対するニコラスはあちこちで動き回っていたのでかなり疲れていたのが手に取るようにわかった。場外でも全力投球、リングではタシロ相手に全力で動いていたらそりゃ疲れるわ。本人にもいったんだけどあれだけカオスな状態の中でどれだけの人がニコラスだけをおっかけてるかと言われたら実はそれほど皆見てないんじゃないかな?見られてないところでは適当に力抜く術も身に着けないと。彼が憧れるジャッキーチェンだって永遠にアクションができるわけではない。この後出てくる藤波さんなんかはいいお手本。

とにかく静と動を明確にすると、見てる側にはかえって動いていた印象を残せるんで要は見せ方の工夫の問でしょう。かといってプロレス頭に頼りすぎて手を抜きすぎるのもどうかとは思うけど。

  とにかく視線が場外にばかりいきがちになったんでリングに残ってる時間がおおかったタシロの動きを注目していたんだけど、対ニコラス戦と対KAG戦に絞ってみると、やっぱ打撃の対応はイマイチかなと。でもこれはしかたない。ただ嫌がってる風ではなかったし、ちゃんと受けていたんで問題ないと思う。特にダブルチョップの威力は一発一発が新人離れしている。タイツの色から馬場さんを想像した人も多かったが馬場さんを意識する必要もレインメーカーを意識する必要もないと思う。なんで手足の長さを利した今できる範囲での攻撃ができていたんでそれはよしとしよう。

 対KAGではどうだったか?
これは身長差があるKAGが見事な動きでまるで透明人間を相手にプロレスしてるかのようなひとりプロレスぶりが非常によかった。勝手に走り、勝手に受け身とって、勝手にやられて見せるその様はまさにこまねずみの様。そこに関節技を絡めてダメージも奪う。これに付き合ったタシロもこれをやったKAGもクレバーぶりが際立った。いろもんな試合の中でその色を生かしつつプロレスをしていたという点ではKAGはまた一段と成長したと思う。タシロの大きさを生かしつつ自分の特性もアピールしていたし、ジュニアという範疇におさめておくよりヘビー級とがんがんあたった方が持ち味でるんではないだろうか?

 ともすれば埋もれがちな藤田が一番大人げなく試合を楽しんでいたのも特筆だろう。やっぱどっかの軍に加担するより、自由にすいすい泳いでいた方が藤田らしいし、本当イキイキしてたのが見ていて面白かった。

 で誰がかったんだったけ?
写真をみてもどうなったかわかんない^^
 
藤波辰爾(DRADITION)&新泉浩司(プロレスリング華☆激)vs阿蘇山(九州プロレス)&久保希望(フリー)

 唯一組まれたプロの試合。これは実をいうと前日華☆激の大会に藤波さんが参戦してそのルートでそのまま滞在時間を延ばしてもらってブッキングしたらしい。まあでも門司港で藤波さんが試合すること自体なかったろうし(門司港レトロがこんなに活性化する前の門司には門司体育館くらいしか会場なかったし)かなり貴重なものが見られたといっていい。

 要するにこの試合どう頑張っても藤波さんがもっていく構図になっているわけでほかの選手はその色合いとかぶらないか、真っ向勝負でいくかしか術がなかったと思う。そこへいくと久保はヒール色の強いいでたちとファイトスタイルで存在感を出してきた。これはわかりやすかった。

コーナーマットははずすわ、レフェリーの指示は無視するわの暴走ファイトぶり。もともとヒールをやっていた分、こっちの方が違和感なく見られたし、やっぱ対戦相手によっては上手にいなしたり、規格外のパワーをもっていたりするんで、そことの差別化を試合ごとに訴えていくのもいいかもしれない。なんか宮本戦よりイキイキしてみえた。まあもう一人の対戦相手が勝手知ったる新泉だからというわけでもないだろうが、ばっちばち入れあって試合してたのが見てても気持ちよさげだった。

 さてその久保の師匠、阿蘇山にしてみても普段はうけてたつ立場の人間で後輩の指導もする立場。で、自分より体格があって、自分よりキャリアのある相手にぶつかることはそうそうないし、ましてやドラゴンはそんな相手の全力をなにげに受け止めきってしまうタイプのレスラー。後輩・阿蘇山が先輩・藤波の胸を借りるという図式はなかなか新鮮だった。ちょうど幸か不幸か九州プロレス選手権も手放した後だったし^^肩の具合もだいぶよさそうだったし。実際あとで話をきいたら「憧れの藤波さんと闘えた」事が相当嬉しかったらしい。

 新泉も自己主張するというより、藤波さんの露払い役を懸命にやっていたし、久保とは遠慮なくやりあっていたもののやっぱレジェンドを気持ちよく帰したいという気持ちにあふれていた。もちろんそれだけではなく、遠慮せずにバチバチやりあえる相手が相手なんでこっちも気持ちよさそうに試合をしていた。これがやっぱ新泉浩司だよなというものを見せてもらったので見てるこっちもうれしくなった。やっぱ新泉にはこういう遠慮会釈ない試合がよく似合う。

 とはいえ、まわりにそこまで気遣いさせるほど藤波辰爾は衰えていない。いや、正確には若いころ見せていた技はほとんど使ってないのだが、動きに無駄が少ないしここぞという時の力の出し方も心得てる。

たとえば、見てる側だとドラゴンスリーパーがなんであんなに簡単に決まるのかなとずっと思っていたけど、実は細かいところだがロープに相手を振るとき、相手が跳ね返ってくるカウンターを狙っているのではなく、物凄い力で相手をロープに叩きつけていたのがポイントだったのだ。ふられた相手はもろにワイヤーに激突するのでロープワークをする暇すらなく、気が付いたら仕留められてる。勿論そこへいくまでに特に首へのダメージをたっぷり与えているんだけど、やっぱあのロープへの降り方のスピードと力は半端ないし、たまたま藤波さんの真正面側にすわってみていたせいか、今回はじめて実感できた。あとで選手に裏とってもこれは間違いなかったし、やっぱ力入れるところとそうでないところのON、OFFがきちんと区分けできてるのも妙義なんだなあと唸らざるを得なかった。でもこれで長年の謎がひとつ解明できた。

 試合はその藤波さんに久保がつかまって試合は終わった。でもいっておくと久保のロープワークは達人レベルのものなんでその久保を有無をいわさずロープに叩きつけて動きをとめてしまったドラゴンの凄味にはただただうなるしかなかった。
いや、眼福でした!

メインイベント:
▼GWA無差別級タッグ選手権試合(60分1本勝負)
[挑戦者]陽樹&TA-KIvs七海健大&ジャンボ原[王者]

 約1年にわたる長期政権になったジャンケンタッグだが実は驚異的防衛をはじめたのは今年になってからである。去年の今頃は原の負傷欠場で防衛戦はおろか、タッグチームとしてもスタートもしてなかった。で、やっぱり鉄壁の防衛を続けてる王者というイメージはやはり年頭の対TA-KI&ジェロニモ戦で難敵を打ちやぶったあたりからスタートしてると思う。今回あらかた対戦相手も出つくして、挑戦者が決まらない中、まっさきに名乗りをあげたのは陽樹。で、同じCCの中からパートナーに選んだのがそのTA-KIだった。前回は突然の指名に運営への疑念を捨てきれないTA-KIとベルトをとりたいジェロニモの気持ちにまさかの溝がうまれてそこをつかれた格好になったが、今回は同じCCのチームメイトからの指名。断る理由もモチベーションがさがる理由もない。

 そして何より重要なのはCCは一度負けてる分、態度では王者を見下しておきながら実はしっかり王者は強いことを認識していた。ジャンケンタッグの売りはどっちかがローンバトルになってもどっちかが休んでエネルギーを蓄えておくところで、片一方に照準を絞るだけでは勝てないというのが大きな難点。でどう攻略するかとなるとやっぱり基本通りだけど分断するしかない。そこで勝利の方程式を崩していく必要がある。

 もちろん数頼みの乱入や、セコンド陣の応援もあってそこはCCらしさも交えつつ実は理詰めでジャンボを攻略していく陽樹&TA-KI。腕ひしぎをはじめとするバリエーションの多い腕殺しと、コブラツイストやスピアでスタミナとスピードを奪うあたりはクレバーの本領発揮。今までずるい方にしか使わなかった頭脳戦の方向を変えて総力を結集してみせたあたりが今回のCCが一味違ってるポイントだったと思う。

 それでも原には一発逆転の稲妻レッグラリアットで形勢を逆転させると七海につないで必勝パターンにもっていったが、ここでたたみかけられなかったのが大きな失点につながった。

 話は前後するが最後の締めで林がシングルでは同じチームでも皆ライバル、という意味のことをいっていたけど、チームとして機能するためには全員がシングルプレイヤーではだめなのはいうまでもない。その競争心がいい方向に向かうといいんだけど、こういうチーム同士の総力戦になった場合、一見寄せ集めで好き勝手やってるイメージのCCは実をいうと一枚岩になれる団結力をもっていた。試合に出てない控えが後方支援をいとわない。FOR THE TEAMの精神に、OTLはやや難があったんではないだろうか?もっとも人数少ない分そこは致し方ないかもしれないが、やっぱ乱入してくる相手がたくさんいる分後方支援がイマイチ手薄だとこういう戦いで今後とも星を落としかねない。そういう意味ではシングル志向はGAM1だけにして、他では総力戦でことにあたるくらいのことはしないと今後苦しくなるだろう。意外とああ見えてLOCの一枚岩っぷりも半端ないし、がむクロもいざという時の団結力では他を圧倒する。今回ベルトを失ったのはOTLになくてCCが身に着けていた団体力だったとしかいいようがない。個人のスキルアップも大事だけどチーム愛も大事という意味ではよい教訓になったろう。

 一方勝ったCCは意気揚々。
しかしここで収まりがつかないのはLOC。特に因縁浅からぬ鉄生はまっすぐに陽樹を奇襲。おっとり刀で阿蘇山がでてきたがそこでもひるまず猛攻撃。しかし阿蘇山怒りのラリアットで荒ぶる鉄生は轟沈。

 いや、最後こそOTLがしめてなんとか恰好はついたけど大乱戦につぐ大乱戦で最後まで目が離せなかった。陽樹と鉄生も遺恨を深めたし、やっぱ出世合戦で陽樹が一歩リードしたことで俄然鉄生にも火が付いただろう。秋のGAM1に向けて新しい戦いもすでにはじまっていた。

 終わってみれば超満員札止め。本当いい大会だった。
暑さと湿度にはほんと参ったけどやっぱ夏場の観戦の醍醐味は十分味わえたのでこれでよかったと思う。打ち上げも大盛況だったし。

 しかしまとめようと必死に推敲してたら一日があっという間に過ぎてしまった。これでもかなり短くした。やっぱ思うがままに書いてたら読みづらくて仕方ない。それでもワードで9ページ分!やっぱ長い!!!

そもそもほぼ全員が知り合いになってしまった今、やっぱ全員をこと細かに書くと収拾がつかないんでこの辺で勘弁してください^^

最後に会場を後にするとき、野本は真っ赤に泣きはらした顔で我々を見送ってくれていた。それもじーんときたけどやっぱこれで終わりにしてほしくないのでそこで感動するのはやめようと思ったら、林がなにげにタオルを頭からかけていたのがみえた。単にそれは暑さ凌ぎだったのかもしれないが、なんとなくその背中には野本を背負う覚悟みたいなものが見てとれた。それを証明できるかどうかは今後の精進しだいだけど・・・

 皆さん素敵な一日をありがとうございました^^