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DRAGON GATE THE GATE OF MAXIMUM 下関大会観戦記(14.6.16 月 海峡メッセ下関)

DRAGON GATE THE GATE OF MAXIMUM 下関大会観戦記(14.6.16 月 海峡メッセ下関)

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ドラゲーのHPをみると6月日程は11大会。そのうち下関大会は4番目。ただし前日には博多二連戦というビッグマッチがあっての、下関。たいがいテレビマッチのあとは選手も疲弊しているのだが、今までのドラゲーは、ビッグマッチに出た選手がその翌日もそのまま出てきて試合をこなしていた。あれほどのタレントがいながら、交代要員とか、若手にもチャンスを与えてほしいなとはずっと思っていた。鮮烈なデビューを飾ったCIMAたちももう大ベテラン。最年長のモッチーも、もはや「新しい波」と呼ばれてから15年以上の時を経過している。ビッグマッチに出られない選手が地方大会でならみられるというのは、ハウスショーの存在意義をあげることにもつながるわけだし、ドラゲーほどの団体ならそうしてほしいとは思っていた。

そしたらなんと今回第0試合としてミレ二アルズのU-T対琴香が組まれているではないか!第一試合を全体の導入と考える団体は今や主流でかつてのように活きのいい若手がつとめるパターンは少なくなってしまったが、ハウスショーの経験がたくさんあれば、それはその選手の財産になる。かつてCIMAがブレイクしたクレージーMAXだって、みちのくプロレスの巡業で修行してその名を広めていった。今だと、セーラーボーイズから脱却して、とんでもない進化をとげたバラモン兄弟だってそう。地方を回る体験はレスラーを育てる上ではもっとも大事なことなのだ。

ということでいつものオープニングアクトは15分前からスタートしたが、どうせなら第0試合とかにしないでちゃんと時間をあたえて第一試合にしてあげて欲しかったな。今回はテレビの余波か?月曜平日なのに結構なお客がいたけど、これもTVがないシリーズだとがくんと客足が落ちるのもドラゲーの特徴。発足から15年。もう老舗といっていいドラゲーは色んな意味で今転換点にきている感じがした。なおドラゲーの場合、技の展開をおって観戦記書いていたら収拾がつかなくなるので(闘龍門JAPAN時代にその形式で書こうとして挫折した^^)試合をみた感想のみにとどめている。もっともそのせいでごまかしがきかないため、かなり辛口な観戦記にみえることもあるとは思うんだけど、私は意外と現場では楽しんでみているので、不快に思える方はここで読むのをやめておいてもらいたい(笑)

第0試合 U-T 対 “ミスター・ハイテンション"琴香
(×U-T(4分22秒、飛び付き式回転エビ固め)“ミスター・ハイテンション"琴香○)

ということで第0試合。新日も最近第0試合を連発しているけど、第一試合の意味合いが変わった現在にあっては、それに代わる意味合いの第0試合も必要なんだろうなあとは思う。ミレ二アルズもぶっちゃけ、全員にチャンスがあるわけでもないし。こういう機会でもないと全員に試合がいきわたらないのはよくわかる。ただ残念なのはこの試合が5分一本勝負になったため、活きのいいのは伝わったんだけど、バタバタした試合になってしまった。この2人の実力ならもっと違う展開もできただろう。序盤からいきなりクライマックスな試合になっちゃったのは残念である。しかしマイクではなく試合内容であたためられたのは大正解だと思う。もともとそういう素養はあるんだし。こう考えるとミレ二アルズは本当に救世主だなあと思う。

第1試合 タッグマッチ
Eita&フラミータ vs ジミー・ススム&堀口元気H.A.Gee.Mee!!
(○フラミータ(12分9秒、フラムフライから片エビ固め)堀口元気H.A.Gee.Mee!!×)

この日のカードはなぜか超ベテラン対若手という構図が多くなっていて、この試合もそう。前日タイトルマッチをこなしたススムが第一試合に下がっているのは、負担を考えたら当然だろう。堀口はしかし衰えないというか、髪がどれだけ後退しても選手として劣化していないのはさすがだと思う。ゴムパッチンや、髪の毛いじり、神が宿る逆さ抑え込みなど定番ネタオンリーだったけど、逆に誰とでもそれができて楽しませることができるというのは大きな強みだと思う。一方、個人的に気に入ったのはフラミータ。将来的にはリコシェのあとに続いてスーパージュニアにでてもらいたいくらい。今のところ見せ場は飛び技だけだけど、なんかスター性を感じるので、やりようによっては新しい時代のマスクマンにもなれるかもしれない。

●第2試合 シングルマッチ
B×Bハルクvs しゃちほこBOY
(×しゃちほこBOY(9分10秒、エビ固め→E.V.O.P)B×Bハルク○)

MAD BLANKEYを脱退し、孤軍奮闘を続けるハルク。正直ベビーでもヒールでもない立ち位置で、しかも相手はしゃちほこ^^いかにも地方なんだなというか、TVマッチではまずないように思えるカードが組まれた。ところが、意外にもしゃちほこが下関で試合したことはそんなにない。少なくとも私が再びドラゲーをみだしてからは記憶にないから、5年以上はみてないことになる。ということで実はとっても新鮮。ハルクはベテランではないが、格付けで見た場合、しゃちほこよりは上に位置する選手だろう。HPのしゃちほこのプロフ欄はテーマ曲以外の一切が不明になっているし^^
で、博多で何も動きがなかったということは、次にハルクが動くのはおそらくワールド記念ホールになるだろう。であるならば、地方大会にヒントをちりばめたマッチメイクも一興だとは思う。

そういうことを除いて、この試合をみた場合やはりヒールを経験してひとまわり器が大きくなったハルクならしゃちほこと絡んでもいい試合ができるという風にも考えられる。ヒール時代ならまずやらなかった「よっしゃーいくぞ下関!」という掛け声で会場の空気をがらっとかえるあたりは、ハルクにはベビーが似合うなあと思わせるものがあったんだけど。

ところが、地声がガラガラ(金本よりかすれていて、天龍より聞き取りにくい^^)というのを逆手にとって?の「声出していこう!」(1回はマイク使ったけど)というしゃちほこの掛け声が、妙にこの日のお客のハートにヒットしたらしく、ハルクを応援する声が次第にしゃちほこに傾いてく流れがおかしかった。私的にもこれはうけた。べただけど、特徴があると覚えやすい。冒頭でもいったとおりしゃちほこマシーンもシーサーBOYも試合をしてないこともあって、下関ではこれがハマった!たぶんよそでやってもこんなに受けないだろうけど。

試合はMONSTER EXPRESSのセコンドがしゃちほこよりでかい声で声援していたにも関わらず善戦むなしく、しゃちほこは敗れ去ったが、ここへきて裏切り者ハルクを制裁しに、この日のメインに出るMAD BLANKEYのYAMATO、土井、Kzy が乱入。だが、混乱に乗じてハルクは早々に引き揚げてしまい、いき場をなくした三人は返す刀で、MONSTER EXPRESSを挑発。「全面対抗戦や」というMAD BLANKEYに対して「お前ら三人しかおらんやんか!こっちは4人、お前ら3人や!」ときりかえされてしまった。
「大人の事情や!三対三で全面対抗戦やったるわ!」と口の減らないMAD BLANKEYは、結局メインで打倒「MONSTER EXPRESS」を打ち出した。

●第3試合 タッグマッチ
望月成晃&“ハリウッド”ストーカー市川 vs ジミー・神田&Mr.キューキュー“谷嵜なおき豊中ドルフィン
(דハリウッド"ストーカー市川(0分16秒、後頭部へのDHから片エビ固め)Mr.キューキュー“谷嵜なおき"豊中ドルフィン○)

冒頭、ツアー帯同が約10年ぶりと告げられた市川。もともとは実力もあって、お笑いもできる選手で、しかもモッチーとはアマレスベースつながり。とはいうものの、ベテランであることには違いないし、実際限定出場することでコンディションを保っているベテランも多くいることもあるし、たまに姿をみても、チケット先行発売場にしかいない市川が下関で試合するということ自体がかなりのレアケースでもある。10年もシリーズに帯同してないというのは、試合前菊池アナが「久しぶりのシリーズで市川はすでにばててます」といっていたし、やっぱ旅から旅、連戦から連戦を重ねているドラゲーの選手の中にあっては、いくらできるレスラーであってもついていけるのか?とついつい失礼ながらおもってしまった。

だから「俺が出る」とモッチーを押しとどめて先発を買ってあっという間に負けて、再試合という、かつてTARU相手にやっていた往年のパターンがみられただけでもよしとしたかったが、見せ場はこれだけではなかった。

●第3試合 タッグマッチ(再試合)
望月成晃&“ハリウッド”ストーカー市川 vs ジミー・神田&Mr.キューキュー“谷嵜なおき豊中ドルフィン
(דハリウッド"ストーカー市川(8分24秒、市川がジャーマンスープレックスを自爆したところをフォールから体固め)ジミー・神田○)

で、モッチーがマイクで「お前、散々任せろ!っていっておいてこのざまは何だ!」といって対戦相手のジミーズともども帰ろうとすると市川が「いや、そこはもう一回!でしょ」と再試合を懇願。ジミーズも「このままでもいいのに」といいつつ再試合。で、序盤から全く同じシーンがでたが、ぎりぎりキックアウト。ここから、久々のツアーで張り切る?市川はロープ渡り。これにモッチーも呼応してロープ渡りで応じたが、ロープ上で鉢合わせ。「お前がどけ」「お前こそどけ」といってる間にジミーズの反撃を許すというお約束も含め、Wカンチョ―攻撃や、飛べといって飛距離の足らない市川ダイブなど、モッチーが市川シフトで試合を進めてくのがおかしかった。もちろん時々バチバチもやるんだけど、今度はそっちに市川が呼応。なんと超レアなジャーマンを放つと会場大声援。もっとも椅子をもってきてその上に相手を投げようとして今度は自分がやられるというバラエティな幅振りの試合で、十分楽しませてもらった。

試合後、健闘をたたえつつ、市川を最後は蹴り飛ばしてリングをおろたモッチーだったが、このタッグはまたみてみたいな。ともかく市川のジャーマンが生でみられただけで元がとれた試合だった。

●第4試合 タッグマッチ
T-Hawk&ヨースケ♡サンタマリア vs ドラゴン・キッドK-ness.
(×ヨースケ♥サンタマリア(10分18秒、バイブルから片エビ固め)ドラゴン・キッド○)

このベテランタッグもかつてK-nessが望月成晃率いるM2Kに加入し、ドラゴン・キッドと抗争を繰り広げるたことを思えば、隔世の感がある。確か有明で行われたマスカラ・コントラ・マスカラ戦でキッドに敗れ、マスクを脱ぎ素顔を公開したこともあったし。でもあれがないと今のK-nessはないわけだし、長いことみてるといろんな恩讐も超えて二人が同じユニットで試合していること自体が感慨深い。

一方、そんな抗争当時はまだプロですらなかったミレ二アルズの一番出世頭のT-Hawkとマリアは、レジェンドといっていい2人に全く臆することなく今の自分たちをぶつけていく。この辺の臆面のなさもまたすがすがしい。ベテラン対若手の抗争ではあったけど、少なくとも試合で先輩相手に遠慮してないのはいいなと思えた。正直かつて鮮烈なデビューを果たしたCIMAたちやT2Pといったあたりの衝撃に比べれば、まだまだという感じはしなくもないが、でも待望の若手勢力である。この芽はつぶさず、でも甘やかさずに育てて欲しい。実際そのCIMAも本大会にはいなかったわけだし。でもそれでも不満を感じることはなかった。少しずつドラゲーの時間も動き出している感じがしてきた。

●第5試合 6人タッグマッチ
YAMATO&土井成樹&Kzy vs 吉野正人鷹木信悟&戸澤陽
(×Kzy(17分41秒、デッドリフトジャーマンスープレックスホールド)戸澤陽○)

まあ、あおりこそあったけど、前日ハードなタイトル戦をした選手はだいたい楽な位置にさげられてはいたが、6人タッグとはいえ、メインにいれられた選手はそういうわけにもいかない。ついこの間まではYAMATOが若い世代の先頭を走っていたが、彼も気が付けば30代。中堅と読んでいい位置にきてしまった。ミレ二アルズがまだ後塵を拝していて、かつジミーズ世代がもう一花咲かすべく頑張っているとどうしても分が悪い位置にはいるんだけど、それでも彼らなりに一生懸命試合はしていたと思う。

しかし戸澤は見違えたように活き活きしている。彼のベビーターンは大成功といっていいいだろう。合わなそうでぴたりと合う鷹木との連携はかなり斬新だったし、前日3回やった連続トぺをこの日も敢行。ある意味、琴香よりハイテンションな戸澤が8割試合を作っていた。前日のテレビ中継で岡村社長が「戸澤がまさかメインをはれる時代が来るなんて」みたいなことを言ってったが、みてるこっちも予想だにしていなかった化学反応だった。

試合はある意味セオリー通りベビーがヒールを蹴散らして、一件落着となったわけだが、正直マイクで試合時間を稼いでいく展開を半分期待していたので、思ったより試合の密度が濃くていい意味で期待を裏切られてしまった。この試合を含めて内容で勝負し、活きのいい若手で時代の変化をアピールしつつ、新風景の予告をしていくという意味ではハウスショーらしいハウスショーだったと思う。もともとしゃべらなくても魅せられる選手ばかりなんで、奇をてらわなければ、こういう大会もできるということ。ただ問題はこれが長続きしないことなんだけどねえ。この翌日は熊本。ハードなツアーはまだまだ続く。ドラゲーはこうした旅から旅を繰り返して大きくなってきた団体。舞台経験と度胸だけでなく、レスラーとしての技量も、リコシェが示したようにメジャーのシリーズの優勝をとげるということで証明された。これに続くきそうな世代が覚醒してくればまだまだ面白くはなるだろうと思うんで、あとはやっぱ博多とかほかの土地までいってまでみたいと思わせるものがもっとあったらなおいいかな?贅沢いったらきりがないけど^^