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東京女子プロレス・九州初進撃! 山下実優地元凱旋興行観戦記(2014年9月6日(土)福岡・さいとぴあ多目的ホール)

東京女子プロレス・九州初進撃! 山下実優地元凱旋興行観戦記(2014年9月6日(土)福岡・さいとぴあ多目的ホール

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正直、アイスリボンより先に東京女子が先に福岡に来るとは想像もしてなかった。いくら地元の山下がいるとはいえ、所属も少ない、経験値も浅い中、ユニオンや他のDDT傘下ブランドを差し置いての地方大会。しかも東京女子初の地方大会がこの福岡興業なのだ。実際山下家は一家総出で営業をこなして、営業のいろはも知らない山下を支えて、なんと「超」まではいかないが、8割くらいの入りにしてしまったのだ。これはすごい。いくらLINQを呼んだり、タフスの力を借りたりしたとはいえ、これは立派なことである。ましては東京で考えるほど、地方に女子プロとういう文化は根付いてはいない。というより絶滅したジャンルであることは間違いない。だから、男子なら無料でOKになる写真撮影(試合中はOK)ができないとか、サインもできないとかいうことになると、「なんで?」となる。女子プロ特有のルールを時間をかけて地方に浸透させるには単純に「業界的にだめなものはだめ」というのではなくちゃんとした説明が必要なのではないだろうか?それなくして地方に出ても「女子だから」という理由だけでお客が理解してくれるわけではないことを肝に銘じておいてほしい。実際物販がにぎわっていたようにもみえなかったし、サインも写真もだめなら(グッズも)買わない、見にもいかないという選択肢をしたファンは結構いた。通し券を買えばDDTもみられるのに、DDTだけを選択したわけだ。こういう女子プロルールを嫌うプロレスファンは特に地方に根強くいるのは事実。私的にも東京のファンが物分りよすぎるとまでいってもいいと思う。今後地方進出するなら、そこらへんもクリアにしていかないと、難しいのではないかと思う。

中島翔子&坂崎ユカの「闘うコメディアンズ」による前説はとても楽しかった。だからこそここで一工夫して「だめなものはだめ」の理由をきちんと説明しておくべきだったのではないだろうか。せっかく客席に全選手のイラストとルール説明の紙を配っておけるなら、もう一歩噛み砕いたものが欲しかった。そして一方で意外と認知されていた桃知みなみリングアナの存在はかなりいい感じだったと思う。「いざゆけ若鷹軍団」熱唱から全選手が揃うと選手を代表して福岡大会の事実上の責任者、山下実優が「地元凱旋ができると聞いてからあっという間にここまできました。私にとっても初凱旋ですが、東京女子にとっても初地方ということで、今日からいろんなことがスタートしたらいいなと思います。今日は楽しんでいってください!」とあいさつ。

でふつうならここで試合がはじまるところだが、なんといってもボリュームが足りない。試合数も3試合しかない。ということで山下が子どもの頃に通っていた護身術空手道流水会による演武から興業はスタート。ちびっ子がボール蹴りや杉板割りを一生懸命おこなうと、最後は中段正拳突きで先輩にエールを送るという形で演武は終了。長々やるのかなと思ったら意外とコンパクトだった。

第1試合:○木場千景vs●清水愛(4分15秒、片エビ固め)

すっかり声優としてより、レスラーとしての認知があがってしまった清水愛「選手」。久々にみたけどもう「選手」と呼んでいいだけの実力を備えていた。さすがのめり込むとオタクパワーはこういう強みを発揮する。聞いた話では今もアイス道場での練習を積んでいるらしい。ファンとして普通に観戦に訪れていた福岡に選手として戻ってこられたのはやはり格別だったのではないだろうか?もっともアニメであまり名前みなくなったのは痛しかゆしだが、プロレスファン的にはデビューを見届けた選手がきちんと活躍してくれていることはうれしい限り。試合はバックの取り合いから脚をキャッチした木場がグラウンドに引きずり込んで序盤優位に立つ。関節技のやりとりではさすがにこれを得意にする木場に、清水はなすすべなくやられていたが、アームブリーカーからアームロックで逆転すると、飛び付き十字架固めから腕を捕らえておかえしをするあたりファイターとしての気の強さもみせていた。さらにフライング・クロスチョップから一回は失敗したジャイアントスイング10回転。ここまでできればもう立派なプロレスラーだ。だが、フィニッシュ狙いでダイビング・ボディーアタックを放った清水を木場が切り返して押さえ込んで勝利。清水は悔しさを露わに先にリングを降り、木場を一瞥もしないで去って行った。この気の強さは外見とのミスマッチでかなりいけると思う。できたら女子プロとしてもう一回試合をみてみたいなと思った。

試合後、九州発のアイドルグループLinQのライブへ。今回は伊藤麻希、深瀬智聖山木彩乃、髙木悠未、杉本ゆさの5名が参加して4曲を熱唱。今回初めてライブのメインMCを務めた伊藤は「女子プロの中で私が一番かわいいと思っていたけど、みんな私と大して変わらない」と言って全員からツッコまれていた。おまけに「今日はアイドルとしての私をみてもらえた」っといっていたのに、最後はメンバー全員にフォールされていたし。なお、LinQメンバーの由地成美と山下が親友関係にあるらしく「やっと女子プロと接点がもてました」と喜んでいたが、まあばってんと絡むよりはうれしかったんだろうな。

第2試合
●坂崎ユカvs○KANNA(4分52秒、片エビ固め)。

スタートから坂崎がKANNAの気を逸らしての丸め込みを続けていく。このあたりのモデルはマサ高梨なのかな?坂崎はなんか独特の表現しがたい動きと声で会場を煙に巻いていた。そしてDDT選手のいいところどりもしているように思えた。まあ普段試合みてないから本当のところは知らないけれど。で、一方のKANNAも丸め込みでやり返し、チンクラッシャーからフェースクラッシャーで続く。やっぱ試合時間が10分とか15分とかで設定されている分どうしても試合がバタバタしてみえる。近年は女子の試合は短いものという流れになってることが多いけど、できたら将来はアイアンマンマッチがこなせるほどの力量をみにつけてほしいと思う。かつて、中西百重高橋奈苗がふつうの地方大会で30分時間切れとかの試合をしていたように女子でもできると思うんだけど。

まあそうはいってもギャグテイスト満載の坂崎にはスタミナマッチも似合うまい。「お前はもう死んでいる」とKANNNAの経絡秘孔をついた坂崎がなぜかケンシロウを気取っていたのが面白かった。さらにDJニラばりのロケットランチャーから、意外に脚力の強さを見せつけたダイヤル固めで回すが、KANNNAに予想外に粘られた。坂崎はそこからダイビング・ボディープレスに移行、これをKANNAがヒザ蹴りでやり返し、今度はKANNAが坂崎のワキ腹に秘孔を突いて試合は終了。もう少しじっくりみたかったかも。

休憩明け、地元格闘技団体「心気道タフス」のちびっ子による総合格闘技エキシビションを披露。しかしやはり先生がアズールだけあって、総合なんだけど、微妙にプロレステイストが入っていた。エキシにでていた少年はレスラー志望らしいけど、こうして金のタマゴが育っていると未来のプロレスシーンにも希望がもてる気がした。

第3試合
山下実優&えーりんvsのの子&●中島翔子(10分9秒、片エビ固め)

イベントで水増ししたものの、進行がきちんとしていたせいかここまでダレ場がなかったのはさすがDDT傘下。やはり何かと東スポとかに露出してるのの子には声援がかなり飛んでいた。試合自体は正直スレたファンだと「地元凱旋の山下に花をもたせて、のの子を目立たせて、えーりんか中島がやられるんだろうな」的な予想をしてしまうんだけど、まあ実際その通りにはなった。ただ、やはり長時間やるとぼろが出るであろう現メンバーの実力を考えたら、試合時間も含めてこの形が一番だったんではないだろうかと思う。山下とえーりんのタッグは思ったよりバランスがよく、空手出身の山下の蹴り(かなりセーブなしていたけど)に、えーりんのドロップキック連打がいいアクセントになって試合をもりあげていた。のの子は自分の立ち位置をよく理解していたし、頭のよさは光るものが感じられた。そしてやはり比較的技を受ける側だった中島もよかった。彼女の技術あってのメインだったなという気はした。山下が孤立した中島にブラジリアンキックからのクラッシュ・ラビットヒートを決めて3カウントで終わったが、正直中島の株は結構私の中では上がった。山下が最後に涙ながらにマイク。「楽しんでいただけたでしょうか!? 私にとって初の凱旋興行で、初めて福岡に営業にも行かせていただきました。私にとって初凱旋、東京女子にとっても初地方ということで、ここからいろんなところで東京女子プロレスをアピールして、東京女子プロレスをもっともっと愛される団体するために頑張っていきます!」とアピール。なぜかやたらと「宴もたけなわ」という言葉をつかっていたが、まあこれはご愛嬌だろう^^

で全選手、出演者が再び終結してのエンディング。これは女子らしいフィナーレでよかったと思う。桃知みなみリングアナがひとりひとり感想をきいていくスタイルだったんだが、これはぜひ次もみたいなと思った。

まあ、正直選手のぼろが出ない程度に組んだマッチメイクといい、イベント進行の手際よさといい、東京女子というより脇で試合をみていた松井さんや大社長の手腕が大会を成功させたといっていい。もっとも山下が頑張ったからこそのご祝儀だったんだけど、やっぱ面白かったし、次回もし来るときはさらに進化した東京女子をみたいなと思う。