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№175 金子みすゞフェアIN菊川ーみすゞの世界をー(11・9.23)

金子みすゞフェアIN菊川ーみすゞの
世界をー(11年9月23日・下関菊川
ふれあい会館アブニール)

 この日は墓参り~川棚~菊川と
ほぼ丸一日運転手でした。
墓参りはともかく、金子みすゞ
には正直大して興味もないしなぁ
・・・・と思いつつも、まあ主演
田中美里寺島進というのが
ちょっと気になったんで同行する
ことに。
 
 約一年ぶりの瓦そばを堪能した後
菊川へUターンして、アブニール
へ。

 まあ、ぶっちゃけこの時点でも
12月21日に同所で開催される大野
雄二LIVEの下見程度にしか思って
なかった。

 金子みすゞというとACのCMで
震災後一躍時の人になった山口県
長門市出身で下関(住んでたことも
ある)ゆかりの世界的詩人。



 1919年、山口県仙崎生まれ。叔母の死を機
に、叔父・松蔵の後妻となった未亡人
の母・ミチと共に下関で暮らすことに
なったテルは、小さな本屋で店番を
しながら、みすゞというペンネーム
で詩を書くようになる。

 やがて、その詩は詩人で仏文学者
西條八十の目に留まり、次々と
人気誌に掲載されていった。

そんなテルの一番の理解者は、彼女に
秘かな想いを寄せる従弟の正祐。
だが、実は正祐は幼い頃に養子に
出された彼女の実弟であったこと
から、世間体を憚った松蔵はテル
を奉公人の葛原と結婚させてしまう。

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 テルの結婚生活は不幸であった。
葛原の放蕩、詩作の禁止、淋病の
感染。そんな中、テルは命を削る
ような想いで、自らの作品を3冊の
童謡集として清書する。たち
行かなくなった生活に、遂に離婚
を決意したテル。彼女は、葛原との
間に生まれた娘・ふさえを連れて
松蔵の家に戻る。だが、ホッと
したのも束の間、葛原が親権を主
張し始めた。そして、明日は
いよいよ葛原が娘を引き取りに
来るという晩、テルは自ら命を
閉じる。

 大正時代、童謡詩人として優れた
作品を残した金子みすゞが、26歳の
若さでこの世を去るまでの数年間
を一部の映画「みすゞ」ではつづって
いる。長らく埋もれたままだった彼女
の作品は、死後半世紀を経て注目される
ようになった。優しさにあふれる数々
の詩を生み出した彼女の苦悩に満ちた
内面を、わりかし淡々と、ドキュメンタ
リーのようにさーっと流した感じがする
映画だった。

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 実在の人物だからか?田中さんも寺島
さんも押さえた演技で淡々と・・・というか
粛々とみすゞの世界を壊さないよう作られ
てたんだが、ちょっとカタい!!
 
 これだけダークネスな人生を歩んだ人が
なぜ、このような生命の力あふれる
優れた作品を多く輩出できたのか? 

 人間・金子みすゞが全く見えてこない
というか「響かない」映画だったなあ。
2001年作だから当然昨今のブームで
作られた作品ではないんだが、あまりにも
作り手の主張が欠けてる気がした。

 実の弟に思いを寄せられる、病気であり
ながら服薬を拒んで自ら命を縮めた理由
はなんだったのか?

 そこに監督なりの解釈を混ぜても
全然OKだったと思う。
あれだけ「命」を「尊び」
「みんな違っていいんだ」と説く
みすゞがなぜ自分の人生だけOKにできなか
ったのか?そこが凄く気になったんだけど
映画ではそこまでの答えは得られなかった。


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 だが、かわりといってはなんだが
二部もコンサートに登場したちひろ
さんがそれを代弁してくれていた。

 もともとメロディがないみすゞの
詩に曲を付けて歌うという、それだけ
で彼女の解釈するみすゞ像があったし
表現としてはこっちが正解だったよう
に思う。

 ちひろさんいわく「虫が光に向かって
飛んでいくのは、もしかしたら光って
る方向に飛んだら死ぬかもしれない。
でもそこへ向かって飛んでいく事が
みすゞさんがいう「命」なんじゃ
ないかって。それもまた生きること
の証なんじゃないか」という解釈は
「なるほど」と思った。

$どん底を楽しめ!逆境に酔え!プロレス!=元気!=生命力イラストレーター.モンスタ-AMのブログ

 そうか、破滅型のような人生を
送りながら常に希望をめざしていた
ととらえると、淡々と運命に逆らわず
生きたようなみすゞの人生の裏に
ある「いきたい」という気持ちが
ちひろさんの歌で「見えた」気がした。

 なんか、歌ってすげえな・・・
ピアノと朗読と歌という実にシンプル
ながら、これほどみすゞの作品を通して
自己表現できるなんて・・・・

 いや、いいもんみせてもらい・・・
あ、聴かせていただきました。

 もちろん自己曲解はご法度だけど
ちひろさんはあらゆる金子みすゞ
文献を読み、おそらくすべてを暗記
してるはずだ。コンサートの端々で
語られる話は勉強してないとできない
ものばかりだったし。

 その上で音楽を通して「咀嚼」した
のが今回のコンサートだったような
気がする。

 いや、ちひろさん、素晴らしい
歌声と演奏をありがとうございました。

 地元に関わりがありながら
イマイチ関心が薄かった金子みすゞ
という人物にこの時はじめて正面
から「出あえた」!

 そんな一日だった。